執筆論文(中国語版)の掲載

以前お知らせしましたが、私(林)が2015年に執筆した論文「証券化と倒産」の中国語訳が南京大学法学院発行の法学誌「南京大学法律评论(2019年01期号)」(⇒リンク)に掲載されました。「资产证券化与破产」という表題になっています(⇒概要ページ)。数百円かかりますが、ダウンロードも可能なようです。

この中国語版の作成は、同志社大学法学部の金春教授と研究室の皆様が行ってくださいましたが、丁寧な訳出に心から感謝しております。

ご参考までに論文中国語版の摘要(要約)は以下のとおりです。私がこの論文で特に意識したのは、一般的な契約法などの重大な変更である倒産法は、いかなる正当性(倒産法秩序などといわれます)をもって、どの程度契約法などに介入することが許されるかという点ですが、摘要にはそのことが記載されています。

(摘要)
资产证券化的核心功能在于通过切断证券化资产与发起人的收益风险关系,实现破产隔离。但是,破产隔离与公平分配责任财产为内涵的破产法公序之间存在冲突。真实出售的认定标准作为认定取回权或者担保权的关键前提,同时横跨破产中的让与担保、融资租赁、信托关系等诸多疑难问题,由此成为激烈争论的焦点。破产申请作为一种战略性手段,预防特殊目的载体自身陷于破产状态也是资产证券化中不得不被重视的一个要素。实践中的证券化架构日益趋于多样化和复杂化,破产法领域应当致力于明确破产法公序的内涵及其对契约自由的干预程度,以做出更好的回应和实现利益平衡。

私の論文が中国での法議論に少しでも役に立てば嬉しい限りです。

林 康司